ドメインを取る ~都道府県.jp~
はじめに
1995年、阪神大震災がありました。
その時から、インターネットが注目され、個人でもホームページを持つ人がちらほら出てきました。
今でもその様子を伝えるのは、阿部寛のホームページ(http://abehiroshi.la.coocan.jp/)だと思います。
当時は、私もホームページを所有していましたが、geositiesという無料のWebサイト提供サービスや、ISP(Internet Service Provider)が用意したWeb公開スペースを利用することが一般的でした。
後に、先輩が専用サーバ(1台を占有するレンタルサーバ)を借りて、その一角を貸してもらい、Webを公開していました。
そのようなとき、ドメインはもちろんWebサイト提供サービスやISPのユーザフォルダでしたし(http://example.com/~usersite/ の形)、先輩から借りたときはサブドメイン(http://subdomain.example.com/)でした。
その頃は、独自ドメインも.co.jpや.or.jpなどの少数のjpドメイン(ccTLD)や、.comや.netなどのドメイン(gTLD)しかありませんでした。
時代は下り、現代。
様々なドメインが作れるようになりました。
汎用jpドメイン(https://yukimachi.jp/ も汎用jpです)や、.biz, .tv, .meなど、多様なドメイン(gTLD)が存在します。
さて、少し用があってドメインを取得することになりました。
今回目を付けたのは、と都道府県.jpというもの。
簡単に例を挙げると、tokyo.jpやosaka.jpといったドメインです。これに任意の文字列を付けて、ドメインを取得できるわけです。
例えば、北海道のスキー情報のページなら、ski.hokkaido.jp(2024/10/08現在、誰も取得してません) といったドメインになるわけですね。
ですから、地域性のある商売や活動にはもってこいのドメインです。
都道府県.jpって?
都道府県型のjpドメインは、ドメイン名に都道府県の名称を含みます。
都道府県に密着した情報を提供できるので、来訪者にはとてもわかりやすいと思います。
ドメインの取得方法は4種類あり、次のようになっています。
【例】スキー情報のサイト・都道府県別
(1)半角英数字+半角英字の都道府県名+.jp
<1> ski.hokkaido.jp
<2> ski.nagano.jp
<3> ski.fukui.jp
(2)半角英数字+漢字の都道府県名+.jp
<1> ski.北海道.jp
<2> ski.長野.jp
<3> ski.福井.jp
(3)かな・カタカナ・漢字+半角英字の都道府県名+.jp
<1> スキー.hokkaido.jp
<2> スキー.nagano.jp
<3> スキー.fukui.jp
(4)かな・カタカナ・漢字+漢字の都道府県名+.jp
<1> スキー.北海道.jp
<2> スキー.長野.jp
<3> スキー.福井.jp
以上の組み合わせになりますが、ski.hokkaido.jpを取得しても、スキー.hokkaido.jpを取得したことにはならないので、それぞれに申請・取得が必要なことに注意してください。
ただし、ski.hokkaido.jpを取得した場合、ski.北海道.jpは他の人が取得することができません。逆も同様です。ski.hokkaido.jpを取得した人(もしくは、ski.北海道.jpを取得した人)のみが、もう一方を取得する権利があります。
価格比較
都道府県.jpを取得する際に必要な費用等を表にまとめてみました。
取得費用 | 更新費用 | 取得後3年費用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
ネットオウル | \2,480 | \2,530 | \7,540 | ・最低契約年数1年 ・ドメイン取得で、無料レンタルサーバー有(20GB) |
お名前.com | \2,460 (サービス維持管理費が別途必要→\3,001) | \2,460 (サービス維持管理費が別途必要) | \7,380 (サービス維持管理費が別途必要→\7,921+更新時のサービス維持管理費) | ・老舗、超有名 ・サービス維持調整費(2024/10/08時点 \541)が必要 |
Value Domain | \3,061 | \3,061 | \9,183 | ・500種類以上の独自ドメインを取り扱い。 ・ネームサーバー/DNSレコード設定/Whois代行などドメイン運用の基本機能も標準装備 |
XServerDomain | \3,102 | \3,102 | \9,306 | ・Whois情報代理公開機能○ ・.comや.netなどの定番ドメインが、国内最安となる《1円》から取得可能 |
ムームードメイン | \3,344 (サービス維持管理費が別途必要→\4,012) | \3,344 (サービス維持管理費が別途必要) | \10,032 (サービス維持管理費が別途必要→\10,700+更新時のサービス維持管理費) | ・サービス維持調整費(2024/10/08時点 22%)が必要 ・年間69円〜の格安でドメイン取得が可能 ・自動更新設定が可能で、ドメインの管理が楽々 |
ほかにも取得できるところはありますが、有名どころだけ。
ネットオウルのStarDomainとお名前.comが優勢ですが、お名前.comはサービス維持管理費がかかるため、割高となっています。
せっかくですので、実際にネットオウル StarDomainでドメインを取得したところを順を追って解説いたします。
なお、サーバーはネットオウルのサービスを使わず、さくらインターネットのレンタルサーバを利用していますので、ドメインを追加してサーバーにWebを公開するところまで解説したいと思います。
ドメインを取得する~都道府県.jp~
では、実際にドメインを取得して、さくらインターネットのレンタルサーバーで運用を始めるところまで解説していきましょう。
①スタードメインにアクセス
ネットオウルのスタードメインにアクセスします。
ネットオウルの新規会員登録をします。
画面右上の「会員登録」を押してください。
②会員登録
まず、新規会員登録をします。
フォームに従って入力し、「認証IDを取得」ボタンをクリックしてください。
認証IDがメールで通知されますので、フォームに入力して「登録フォームへ移動」をクリックします。
会員登録フォームが表示されますので、解説に従って入力してください。
「確認画面」を押すと次の画面に移りますので、確認して「登録」してください。
③ドメインを取得
登録が終わると、メンバー管理ツールが表示されます。
ここからドメインを登録していきます。
なお、解説の中では、 例として ski.hokkaido.jp を取得するようにしています。
メニューの中から「新規取得」をクリックしてください。
ドメイン新規取得画面が開きますので、ドメイン名を入力してください。ここまでは、ski.hokkaido.jp としています。記入したら、「検索する」をクリックしてください。
ドメインを検索し、「○取得可能です。」となっていたら、「取得する→」ボタンをクリックしてください。取得できない場合は、「×取得できません。」となりますので、別のドメインを検索するか、そのドメインの取得はあきらめることになります。(ドメインは先取主義です)
料金お支払い画面が表示されます。
対象ドメインに間違いがないか、ドメインの契約金額が間違いないか、確認してください。
契約年数は1年単位ですので、任意の年数を選択してください。
残念ながら、複数年契約がないので、1年単位がベストだと思います。
支払いはプリペイドかクレジットカードとなります。
ちなみにプリペイドへの入金は、「ネットオウルプリペイドで支払い」を選択すると、「プリペイドを追加購入する」というリンクが表れますので、それをクリックしてください。
また、メンバー管理ツールの「契約管理」の中に、「プリペイドを購入する」というリンクがありますので、そちらから購入してください。購入には、クレジットカード、銀行振り込み、コンビニ支払い、PayPalが使えます。
クレジットカードで支払うを選択すると、クレジットカードの情報を入力する画面が現れますので、正確に入力してください。
入力が終わったら、「利用規約に同意する」にチェックを入れ、「確認画面へ」をクリックしてください。
確認画面が表示されますので、内容に間違いがなければ、「この内容で決済する(確定)」をクリックしてください。
これで、ドメインの取得は完了です。
④サーバー側の設定
さくらインターネットのサーバーで、独自ドメインの設定を行います。「他社で取得・管理中のドメインを設定する」を参考にして、設定を行ってください。
なお、ネットオウルの無料サーバーを利用する場合は、ドメイン管理ツールから申し込みが可能です。そのまま「④ネームサーバーの設定」へ進んでください。
⑤ネームサーバーの設定
続いて、ドメインをアドレスバーに入力した際にさくらインターネットのサーバーを見に行く設定を行います。
左側のドメイン管理メニューの中から、「管理ドメイン一覧」をクリックしてください。
先ほど登録したドメインが表示されているはずです。
登録したドメインの右端に「ドメイン管理ツール」というボタンがありますので、それをクリックしてください。ドメイン管理ツールが開きます。
ネットオウルの無料サーバーを使う場合は、ここから一番下にある「無料レンタルサーバーのお申込み(スターサーバー管理)」をクリックしてください。
無料レンタルサーバーを使う場合は、ここで設定終了です。
ここから先は、さくらインターネットのレンタルサーバーを使用する際に必要な設定です。
「ネームサーバーの確認・変更」をクリックしてください。
ネームサーバー登録画面が出てきます。さくらインターネット用にネームサーバーを書き換えますので、すべてのネームサーバーを削除して、ネームサーバー1に ns1.dns.ne.jp を、ネームサーバー2に ns2.dns.ne.jp と入力して、「確認画面」ボタンを押してください。
確認画面で間違いがないことを確認したら、「確定する」をクリックしてください。
「ネームサーバーを変更しています。このまま、しばらくお待ちください」と表示されますので、しばらく待ちます。変更が終了したら、再度「ドメイン管理ツール」を表示してください。
DNSレコード編集の部分に、次のように表示されていたら成功です。
⑥サーバー側の設定その2
さくらインターネットのレンタルサーバーコントロールパネルにログインしてください。
ログイン直後の画面に「ファイルマネージャー」があるので、クリックします。
サーバーのツリーに、/home/user-domain/www というフォルダがあると思います。
そのうえで右クリックして、「フォルダ作成」を選択してください。
ここにドメイン名( ski.hokkaido.jp )を入力します。
ファイル・フォルダの一覧に、入力したドメイン名( ski.hokkaido.jp )が表示されていればOKです。
続いて、ドメインの設定をします。ファイルマネージャーはいったん閉じてもOKです。
レンタルサーバーのコントロールパネルから、「ドメイン/SSL」→「ドメイン/SSL」を選択してください。
ドメインの一覧が表示されていると思います。
登録したドメイン名が表示されているか、確認してください。
もしドメインがない場合は、④サーバー側の設定を再度確認してください。
最初にSSL(セキュリティ接続)の設定を行います。
右端の「設定」ボタンをクリックし、「SSL設定」を選択してください。
なにやら有償SSLやらの一覧が出てて、お金がかかりそうな気配がしますが、それは見なかったことにして、「登録設定を始めるSSL証明書の種類を選択」をクリックしてください。
一番上にある、Let's Encrypt(無料SSL)の右端にある「利用する」ボタンをクリックしてください。
無料SSL証明書登録の画面になりますので、利用ポリシーへの同意にチェックを入れ、「無料SSLを設定する」ボタンをクリックしてください。
利用登録が完了しました。
証明書の発行手続きに少し時間が必要です。15分程度でさくらインターネットからメールが来ると思います。
メールが来たら、次の手順に進みます。ちなみにこんなメールです。
続いて、コントロールパネルの「ドメイン/SSL」を開きます。
右端の「設定」ボタンをクリックし、「基本設定」を選択してください。
Web公開フォルダは、「 /ski.hokkaido.jp/ 」としてください。最初と最後のスラッシュを忘れずに。
HTTPS転送設定は任意ですが、チェックを付けておいた方がよいでしょう。
最後に、「保存する」をクリックします。
これで先ほど作成した、/home/user-domain/www/ski.hokkaido.jp/ がWebのルートとして公開されます。
設定、お疲れさまでした。
あとは、webにWordPressを導入したりすれば、簡単に公開できますね。
なお、本文中で使用したドメイン ski.hokkaido.jp は、2024/10/09 18:00現在、どなたも取得していないことから、例として挙げさせていただきました。
今後、取得された方がおられても、画像の中に書いた文字を変更するのは手間がかかるので、ドメインを変えるのは勘弁してください。
余談ですが。こういうときは example.com を使えと言われています。都道府県.jpの説明なので、わかりやすく ski.hokkaido.jp を使用しましたが…誰も使わないことを祈るばかりです(笑)
長文にお付き合い、ありがとうございました。
良い独自ドメインライフを!!